メンデル先生の遺伝のしくみ



グッピーの交配と遺伝

グッピーでは、異なる品種間でも交配が可能です。生まれてくる仔魚は、親のそれぞれの形質を受け継ぎ、親とはまた少し色や模様が異なる魚となります。反対に、たとえ同じ品種同士の交配でも、すべてが同じ形質を表現するとは限りません。100%同じものが現れる場合を「固定」と呼びますが、実際には「100%」というのはなかなか起こり得ません。それは同じ品種であっても、異なる遺伝情報を持っている場合があるからです。
そこでグッピーの場合、ある程度同じ色調で同じような尾ビレを持った仔魚を生めば(ある程度の固定率があれば)、それを品種として扱っています。
グッピーの品種はかなり不安定なものなので、品種の固定を目標に改良を進め、形質を維持するのはとても大変なことなのですが、 それこそがグッピーを飼育する楽しさの一つなのです。自分がイメージした魚を作り出すことに成功したなら、もうあなたは「ブリーダー」の仲間入りです。

遺伝のメカニズムについて

グッピーに限らず、多くの生物は「染色体」によって、その形質を親から仔へと受け継ぎます。染色体には「常染色体」と「性染色体」の2種類があり、性染色体はさらに「X染色体」と「Y染色体(オスのみに固有の染色体)」に分けられます。それぞれの染色体が受け持つ遺伝因子は決まっていて、グッピーの場合、以下のように分担されています。

AQUAZONEにおけるグッピーの形質を表現する遺伝子

●常染色体上に位置するもの
 ・体の基調色(グレー、アルビノなど)
 ・尾ビレの色彩と模様(モザイク、グラスなど)
(注)実際のグッピーでは、尾ビレの色彩と模様に関する遺伝因子はX染色体とY染色体上に位置していますが、AQUAZONEでは、常染色体上に独立して位置するものとしています。

●Y染色体上に位置するもの
 ・体の色彩と模様(キングコブラのコブラバンドなど)

●X染色体上に位置するもの
 ・体の色彩と模様(タキシードなど)

形質遺伝の例


下図はあくまで一例であり、必ずこのような仔魚が生まれるというわけではありませんまた下図は説明の都合上、すべてオスの場合での変化の例になります。

品質の分類と特徴

グッピーの品種名は、体の基調色と模様、尾ビレの形と色彩や模様などの特徴からできています。ここでは基本系統と呼ばれるベーシックな品種の特徴を紹介します。

■モザイク系
ガラスの貝殻などの小片を散りばめて図案にした装飾品の「モザイク」のような模様の入った尾ビレを持つタイプをモザイクと呼んでいます。
■タキシード系
体の後半部分が暗色で、タキシードを着ているようなところからこの名前がついてます。
■グラス系
尾ビレの模様がモザイクに比べて細かく、スポット状になっています。
■コブラ系
ボディーに入った独特の模様が毒蛇キングコブラに似ていることから、この名前がつけられたようです。
■ソリッド系
尾ビレが単色のタイプで、1番のポイントは尾ビレにしみや模様が入らないで、あくまでソリッドなことです。
■アルビノ
アルビノとは、体色から黒色色素であるメラニンが欠如して白っぽくなった個体の総称で、品種名ではありません。アルビノグラス、アルビノコブラなど基本系統にはすべてアルビノが存在します。

AQUAZONEアプリケーション内という限られた機能・表現方法の中で、より多くのバラエティーを出すために、遺伝因子やその遺伝法則、そして表現される結果を現実のグッピーと比べ、一部簡略化もしくはあえて変更しているところがあります。これにより現実とそぐわない遺伝結果が出る場合があることをご了承ください。

同様に、オスにおける表現のバラエティーをより多く出すために、メスにおいては見た目の変化を制限しています。このためメスでは一部を除き遺伝結果が見た目に表れません。しかし内部的にはオス同様、 正確に親から子へと遺伝因子は受け継がれていきます。

 


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