褪色と遺伝 |
金魚の特徴のひとつに、褪色という現象があります。褪色とは、自然な黒っぽいフナ色をしていた金魚の稚魚が、ふ化後50〜60日頃から黒色色素が破壊されて黒い色が抜け、反対に赤色色素胞が沈着して金魚らしい美しい赤色が現れる現象です。クロデメキンの黒い色の場合は、この褪色が起きずにさらに黒色色素が沈着して全身が美しい黒へと変化していきます。 さて、このクロデメキンの黒化を例に金魚の遺伝を見てみましょう。 体色が黒くなる遺伝子は、普通の赤くなる遺伝子に対して劣性となっています。 つまり、赤いデメキンと黒いデメキンを掛け合わせると、産まれてくる稚魚は全て赤いデメキンとなります。次に、この稚魚同士を掛け合わせると、3:1の割合で赤いデメキンと黒いデメキンが産まれてきます。 同じように、デメキンの飛び出た目も、普通の目に対して劣性に遺伝するので、リュウキンとデメキンを掛け合わせると、その稚魚の目は全て普通の目となります。そして、その稚魚同士を掛け合わせれば、3:1の割合で普通の目の金魚と目の飛び出た金魚が産まれてきます。 |