第3回:メンデルの法則とは?

メンデル先生は、自分が行った8年間にわたるエンドウの栽培実験の結果を解釈するとき、それまでにはない思い切った仮説を立てました。

「生物はすべて、それぞれの特徴(形質)を決定する遺伝要素をペアで持っている。そして子供を作るときは、オス親側のペアの1方とメス親側のペアの1方が伝えられる。つまり、本体は二倍体(1ペア)だが、精子や卵子の状態では半分になって、受精するとその半分ずつが組合わさってもとの二倍体にもどるのだろう」

この仮説のもとに実験結果を解析した結果、3つの法則ができあがりました。 「優性の法則」「分離の法則」「独立の法則」です。 かの有名な「メンデルの法則」はこの3つから成り立っています。

この3つの法則を理解すれば、生物の遺伝がぐ〜んと身近になります。反対に、この3つの法則を理解しなければ、グッピーの品種改良はいつまでたっても神の御心のままになってしまいます。 (といっても、このメンデルの法則だけで遺伝の全てが説明できるわけではなく例外もあります。)

一気にメンデルの3つ法則の解説をしようと思っていましたが、長くなってしまいそうなので今回はこの辺で。 「優性」「分離」「独立」の3つの法則があるということだけしっかり覚えていて下さい。

よだん:
メンデル先生が「メンデルの法則」を立てたとき仮定した遺伝を決定する因子は、この時にはまだ空想の産物に過ぎませんでした。その後40年たって初めて遺伝因子の存在を裏付けるような物的証拠「染色体」が見つかりました。 染色体は同じものが2本ずつペアになって存在し、精子や卵子が作られるときの分裂ではペアが別れ別れに半分になります。つまりメンデル先生が想定したように、二倍体がいったん半分になり、受精によって二倍体に戻ることが確認されたのです。 こうなると、遺伝因子は染色体の上に乗っているのではないかと考えられるようになり、もはや遺伝因子は空想の域を脱していよいよ現実味を増し、「遺伝子」と呼ばれるようになったのです。


GUPPYトップに戻る